最高裁判所大法廷に行ってきた2021年02月24日 19:37

最高裁判所大法廷の傍聴券
今年度最後の有給休暇を取って、最高裁判所大法廷判決を聞きに行ってきた。
開廷は15時だが、14時から10分間整理券を配布する。今回大法廷で傍聴席83席用意してあるとのことで、結局傍聴希望者は78名で全員傍聴可能となった。大学生風の20~30代の若者が結構多く見受けられた。
大法廷は吹き抜けの横長に広い空間で、近代建築の教会に雰囲気が似ていた。傍聴券をもらうと席は指定されており、密を避けるためだろう、隣とは1席空けての着席だった。本来なら詰めたら160名以上が傍聴できたのだろう。
開廷15分前に弁護人が入ってきた。向かって左が那覇市の代理人弁護士1名、右側が原告金城テルさんの代理人徳永弁護士だった。原告の金城テルさんは93歳とご高齢でコロナ禍ということもあり、上京せず那覇で判決を待っていた。
徳永弁護士の弁護士人生にとっても最高裁大法廷での弁護は初めてで、弁護士にとってはオリンピックの舞台に出られるくらい光栄なことだと言っていた。
開廷5分前に最高裁裁判官が入ってきた。最高裁の裁判官14名全員(1名2月に退官)がずらりと並んでいるのは圧巻だった。大法廷のみ判事が全員参列するらしい。中央に座ってた大谷裁判長から主文とその理由が述べられ10分程度で法廷は終了した。
法廷内はカメラも録音機も持ち込み不可なので、こちらのサイトで大法廷の雰囲気がわかる。
https://www.courts.go.jp/saikosai/kengaku/webkengaku/index.html

原告は那覇市民金城テルさんで、那覇市に対して6年前に那覇地裁に起こした訴訟の最高裁判決であった。そもそも国有地を譲り受けた那覇市がその市有地公園内に一般財団法人による孔子廟建設を許し、しかも土地使用料を免除するのは政教分離に違反するという裁判だった。孔子廟が文化的施設か宗教施設かということも争点となった。本日最高裁で言い渡された判決は、孔子廟は閉鎖的な祭祀が行われており宗教的施設でないとは言い難く、那覇市が孔子廟を建設した一般財団法人に対して市有地の賃借料を免除し全額支払を求めないのは違憲である、と最高裁裁判長が明言した。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=90039&fbclid=IwAR2HvhvazF8_-vNxfwuSGnsyHUzThRmn6EUhe1jxuGVxWGSnquJK1LUr8zk

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/039/090039_hanrei.pdf

87歳で利他の心で訴訟を起こし、命を削りながら戦ってきた93歳の金城テルさんが報われることになった。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2021022401195&g=soc

https://www.youtube.com/watch?v=T3TKthJb7to

https://www.youtube.com/watch?v=WZeenoE-3o4

裁判所の外に出るとマスコミが待機していた。カメラを見るかぎり、TBS、テレビ朝日、共同通信、フジテレビの文字が見えた。法廷内には沖縄タイムズの記者もいた。撮るのはいいが、どれだけのマスコミがちゃんと報道するのか、見ものだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG2349U0T20C21A2000000/