盗人に追い銭~台湾半導体TSMC考~2021年06月04日 11:20

日本・欧米を含め世界的に半導体が不足している。この原因は今世界の半導体製造をほぼ独占している台湾半導体メーカーTSMCが中国への半導体は潤沢に流している一方、日本・欧米には需要に応じられないので価格を上げてくれればなんとかしてもいい、と火事場泥棒的なことを行っているからだ。
欧米はそれがよくわかっていて、アメリカはTSMCに頼らず自国メーカーで半導体を作ろうと国費を拠出してインテルの助成に舵を切った。
一方日本はどうか。先日の報道によると日本政府が190億円を拠出してTSMCと国内半導体メーカー20社とで共同研究開発を行うという。
盗人に追い銭とはこのことで、なんと愚かなことか。

https://www.sankei.com/article/20210531-LKY7CRFH4JN3RDNOK4A65HPTRQ/?435558

①TSMCの今の繁栄は、日米半導体協定という日本の愚策により日本の半導体メーカーが大打撃を受けた。その後日本の半導体技術を台湾TSMCが手に入れ、日本市場に低価格で侵攻してきたことで日本の半導体メーカーが今の瀕死の状態になった。その間、日本政府も経産省も見て見ぬふりを決めた。この度、経産省の手引きにより、以前技術を盗み日本企業をつぶした盗人と日本の税金で共同開発するということだ。

②経産省の表面上の思惑は、TSMCのお知恵を乞い日本の半導体企業の再生をということだろうが、記事を読む限り、台湾TSMCが欲しい技術且つ日本に強みのある分野(材料加工分野)を再び盗んで、最後に日本の企業が完全につぶされる、というシナリオしか私には見えてこない。

盗人と一緒に共同開発してどうするのか。そんなお金があったら、日本半導体企業に助成して日の丸産業を復活させれば済む話だし、国民の納得感もある。ここ1~2年で日本各地の日の丸半導体工場が火事になって生産ラインが止まっているのも非常に怪しい話である。
経産省が国会議員とグルになってこんなバカなことをしているとすれば平和ボケの情けない話だが、意図的にやっているとすれば罪は重すぎる。いずれにしても亡国の道が始まったことに変わりはない。
https://www.youtube.com/watch?v=8UWKlW5BNqk