ふるさと納税のおせち料理をいただく2023年01月01日 15:30

 生まれて初めて、既成のおせち料理をとりよせて頂いた。
 ここ数年毎年ふるさと納税をしているが、令和4年は初めて食べ物のふるさと納税返礼品を頼んだ。現政権の増税と武漢肺炎による景気低迷、原油の高騰、電気代値上がりなどで、益々住みにくくなったせいで、生きることに直結した食品を選んだ1年であったからだ。
 その最後を締めくくるのに、京都市にふるさと納税をし、料亭監修のおせち料理を実家へ送ってもらった。
 手の込んだ細工された縁起物料理や甘味が満載で、美味しくいただくというより、有り難くいただいた。

使えば使うほど長生きする革(レザー)2023年01月02日 13:56

革(レザー)と皮(スキン)が区別されることを、手製本を学んで初めて知った。ざっくりいうと、皮は動物の皮膚の加工前のもの、革は皮を剥いだ後人間の手により製品にするために化学的に加工されたもの、という違い。
 

仕事の関係で30年ほど前にカナダのバンクーバーに1か月ほど滞在したことがある。ちょうど香港が中国に返還される予定の1997年の数年前だったので、香港からカナダへの移民が大量に増えている時期でもあった。  

休みの日に近くのショッピングモールの靴屋で目に留まった革のサンダルを買い、それ以来ずっと愛用している。(インドのBATAという靴メーカーの商品)

靴メーカーBATAのサイト

 

はき始めて15年目くらいに、靴底の厚いウレタンが劣化しひび割れした。何軒かの靴修理屋で断られ、やっと見つけた戸越銀座の修理屋さんで引き受けてもらい厚底ウレタンを交換をしてもらい再び蘇った。

 

昨年再び、そのとき同時に張り替えてもらっていた靴底が摩耗し、このままではウレタンにも到達する勢いであるため、溝の深い靴底に張り替え、間もなく30年目を迎える。  

上部の革部分は全く劣化しておらず、今でもピカピカ黒光りしている。
レザークラフトの先生も、革は使わないと一気に劣化すると言っていた。 使うことで革も生き続けられるという証のような愛用品の一つである。

戦前の鉱物標本を手に入れる2023年01月03日 16:48

首都圏に住んでいることを利用して毎週末古本市に足を運んでいる。
古本市では、古書のみならず、どこかの旧家で蔵出しした絵葉書、パンフレット、玩具など様々なものが出品されていることもある。その中で見つけたのが、鉱物標本であった。
○○第3小学校、氏名○○と上から黒塗りで、詳細は不明だが ふたを開けると尋常小学校児童実習用鉱物とあるので、昭和初期以前の小学校の所謂副教材であろう。
中を見ると全国各地から集められた鉱物40種類のうち39種類がびっしり詰まっていた。欠けているのは、内蓋に記載の一覧によると、「岐阜県土岐津の石英砂」だけである。
中身がほぼ揃っているので500円で購入した。

持ち帰って、次にしたいことは、この欠けた鉱物を手に入れることだ。 土岐津の石英でなければいけない。
岐阜県土岐津のホームページ見ると昔から石英(クオーツサンド)が有名だったことを知る。

さっそくヤフオクで土岐津産の石英を少量取り寄せ、小さな瓶に詰めて標本の第3番に収めた。これで40種の鉱物標本はコプリートとなった。満足。

新年から大転倒する2023年01月04日 13:45

 新年二日目、近くのスーパーに自転車で向かっている最中、車道と歩道の境目の段差に斜めから自転車で入ったところ、前輪が乗り上げきらずに自転車がスリップし、そのまま投げ出されて左の腕から地面に落ちて大転倒した。かけていた眼鏡のレンズが地面を擦り、両膝を強打した。
そのまま帰宅し鏡を見ると、顔の眉間の間が切れて出血していた。膝は厚いズボンで守られていたものの、ズボンの下ですりむいて内出血していた。水で傷口を洗い、上から軟膏とシップをつけた。
 翌新年三日目、ダイニングの椅子に座ったまま足元に落ちたごみを拾おうとしたところ、椅子ごと倒れ、背中から落ちた。
 元旦は近くの神社に参拝に行ったのだが、新年から二日連続の不運だったが、天からの警鐘だと思い、改めて慎重に生活することにする。上京する前にもう一度お参りしよう。

折り本を修理する~明治大正昭和大絵巻~2023年01月06日 15:39

戦前に発行された『明治大正昭和大絵巻』を購入し修理した。

屏風のように折本になっていて、その両面に、明治大正昭和に起こった出来事を解説付きで描かれている絵巻だった。

折本の山折の部分が一部外れ、屏風が途中で切れていた。
折ったまま和紙でくるみ、フエキ糊で貼り付けた。山折にしたまま貼り付ける理由は、平らに伸ばして和紙を貼ると、山折にしたときに負荷がかかるため、最初から山折にして補強和紙を貼り付けるのだ。
修理自体は難しいものではなく時間もかからなかった。
以下、絵巻風景の一部を紹介する。

明治12年 国歌制定

明治22年 憲法発布

明治33年 大正天皇ご成婚 炬火行列
【著書】
明治大正昭和大絵巻
昭和5年1月1日 キング第七巻第一号(新年号)附録
発行所:大日本雄辯會講談社
折本 明治元年から昭和五年までの毎年の出来事が絵巻で描かれている

アルマイトの急須~金物店にて2023年01月07日 14:05

観光旅行で出かけるときにも見かけて気になってしまうのが、古書店と金物店である。金物店には、子供のころに普通どの家庭でも使っていた日用品が売られているし、その金物店が老舗であればあるほど興味をそそられる。
今回帰省先の金物店で見つけた逸品を紹介する。

昭和の時代にはどこの家庭にもあったアルミの急須。
赤尾アルミ製造(日本国の一円玉硬貨の原料も卸している会社) 
材料:シュウ酸アルマイト
製品名:錦竜急須
産地:日本製
容量:0.7リットル

最後は目で決まる~刺繍に想う2023年01月08日 15:35

 長年の友人が習っているモラ刺繍の作品展覧会があるというので伺った。初めてモラ刺繍という言葉を聞いたので事前に調べてみると、中米パナマの先住民族であるクナ族が独自に生み出した多重アップリケとのことだった。

 展示されている作品はどれも皆趣味で習っているとは思えないほど、さまざまな色の組み合わせが全体的に調和がとれていて素敵なものばかりだった。図案(デザイン)も原住民の暮らしや野生動物を表すものから、鶴亀千鳥の日本調のもの、ヨーロッパ風のものまで、どれもひとつとして同じものがない鮮やかな作品であった。
 これらの作品を見て感じたのが、刺繍であれ、絵画であれ、最後に目をどのように描くか(瞳をどう入れるか)が重要だということだった。視線や瞳の大きさなどをしっかり描くことで、作品全体の締りや、その人物・動物そのものの価値や崇高性が決定される。たとえ細かな刺繍や彩りが完璧でも、最後の「目」入りがいまいちだと、結局作品全体に締りがなくなってしまう。
 一方同様に私が過去に見たことがある刺繍は北インドにあるチベット亡命政府で見た伝統継承施設ノルブリンカで見たチベット人が作る刺繍であった。

北インドダラムサラにあるチベット文化研究所ノルブリンカのサイトにあるアップリケタンカのサイト

 デザインはすべて仏像や仏の化身の獅子など仏教にまつわる物であった。モラ刺繍同様細かな手作業のものだった。これについても仏様の目、獅子の目、これがどう置かれるかでその仏画全体が決まってくる。「目は口程に物を言う」というが、絵画、刺繍においても目が非常に重要な役割を果たしている。