個人商店の消滅2021年02月09日 23:30

以前当ブログで、私の田舎の個人商店が過疎化と大型ショッピングセンターの進出でどんどん減っていることを紹介した。つい先日も70年続いた実家近くの鮮魚店が廃業した。ところがこの1年武漢肺炎と景気の更なる冷え込みのためであろう、ここ大都会東京でも個人商店や老舗がどんどん暖簾をたたみ始めた。
高度経済成長のシンボルでもあった港区浜松町の世界貿易センタービルが建て替えらえるそうで、テナントの東京会館や展望台が営業終了、ビル内のコンコースにおばさんがひとり昭和の東京みやげと新聞を陳列販売していた店もいつの間にか引き払い、文教堂書店、喫茶店も閉店していた。
近所の商店街では、いつも人が並んでおり繁昌していると思っていた精肉店が突然50年の歴史に幕を閉じた。手芸用品店や靴屋さんも風前の灯で、いつ廃業してもおかしくない。最近は老夫婦で切り盛りしている精肉店を探し当て通っていた矢先、その店も「2月末で54年の商売をやめ閉店することになりました」と手書きの貼り紙が店先に貼られていた。
店主に、「月末で閉じてしまうのですか」と声を掛けたら、「長年肉を切っていたら、手がこんなになっちゃって言こと効かなくなったんでね」と、硬く折れ曲がった指を見せてくれた。「そうですか、お疲れさまでした、あとは、ゆっくり休んでください」と言葉を添えた。
日本全国で次々と個人商店や第一次産業が消滅している。個人商店は「~屋さん」というだけあって、ある意味その道のプロフェッショナル、マエストロの店と言えよう。グローバリストの菅首相は、中小企業をどんどん淘汰して減らそうとしている。個人商店の後に建つのはどこにでもあるチェーン店やマンションで、日本の風景がどんどん画一的に変わりつつある。