西郷さんなら今の日本をどう思うか2020年03月01日 15:11

現代を見詰める西郷隆盛像
鹿児島空港から歩いて5分の対面に西郷公園という入場無料の施設がある。訪れる人は少ないがその公園には西郷さんの塑像がある。
上野公園の西郷さんは狩りに行く浴衣姿、
鹿児島市内の西郷さんは陸軍大将の軍装、
そしてここ西郷公園の西郷さんは紋付き袴の正装だ。
この銅像は昭和51年、彫刻家古賀忠雄氏によって製作された高さ10.5メートル、重さ30トン、偉人の銅像のなかでは日本最大だそうだ。
西郷さんといえば、
「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕末に困るものなり。この仕末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり。」(現代語訳:命も、名誉も、地位も、金も要らないというような人は手に負えない。このように手に負えないような人物でなければ困難を受け入れ国家の大きな仕事を成し遂げることは出来ない。)
という言葉を遺し、その人生を最後まで公(おおやけ)のために尽くした偉人である。
この西郷公園の紋付き袴の銅像の台座には、
「現代を見詰める西郷隆盛」と記されている。
公の為に命も名誉もいらなかった西郷さんが今の日本を見たらなんと思うか、今、国家の大業をなそうとする立場の人々の中で、命や名誉や地位や金に執着する人のなんと多いことか、それも持てる者ほど。
「現代を見詰める西郷隆盛」と名付けた彫刻家古賀氏自身も当時日本への同じ嘆きがあったに違いない。今の日本を見つめる西郷さんを見ていると、怒りと悲しみが入り混じった表情である。