外国で見つけた日本地図~ロシア チョコレート編~2019年10月21日 22:30

チョコレートの箱に描かれた帝政ロシア時代の日本列島
サンクトペテルブルク空港内のショップでロシア地図が描かれた箱入りチョコレートを見つけた。ロシア語は読めないが、上部には〝RUSSIAN EMPIRE″と書かれ、帝政ロシアが始まった〝1721年"ともある。日本列島の部分をよく見ると、北海道の上の樺太の上半分はロシア領として色が塗られているが、下半分は色が塗られていない。
歴史を紐解くと、下半分の「南樺太」は、日露戦争後のポーツマス条約により日本に割譲された。したがって、この地図は1905年南樺太が日本に割譲された時点での様子となり、チョコレート会社も箱のデザイナーもこの歴史的事実を細かく描き分けているのは大したものである。
大東亜戦争の戦況が日本にとってどんどん不利なものになってくると、ソ連はそれを見計らって急きょポツダム宣言に参加し、宣戦布告、事実上「日ソ中立条約」を破り、樺太などにも侵略し、実効支配は今に至っている。
戦後日本政府は、サンフランシスコ講和条約によって南樺太を放棄したが、当時のソ連はこれに加盟していない為、条約の内容がソ連に適用される訳ではなく、厳密には南樺太は帰属未定地なのである。日本は本来北方領土交渉について、4つの島だけではなく、こうやって一方的に侵略、実効支配されている「南樺太」についても本来交渉対象のスタートに据えなければいけないのだ。
なお、肝心の中身のチョコレートであるが、至って普通のチョコでペロリといただいて終わった。