天安門事件から32年2021年06月05日 00:10

社会人になった翌年の6月4日に天安門事件が起こった。当時は中国にも特に興味はなく、隣の国で大変なことが起きたな、くらいのものだった。会社の先輩が急遽現地法人のヘルプで北京に出張するように命じられたりして、どことなく他人事だった。
それから32年、中国共産党も、世界も、日本も大きく変わった。天安門事件と同じような反中共デモが中国各地だけでなく、チベット、ウイグル、香港、台湾で発生したがことごとくつぶされ、日本侵略計画もすでにヒタヒタと進んでいる。
全体主義の怖さは、上海駐在中に知った。自宅でNHKの国際放送をみていると突然テレビがブラックアウトした。テレビ回線が故障したかと思いマンションのフロントに連絡しようとしたら復活した。チベット動乱についてのNHKの報道部分を中国当局がシャットアウトしたことを後から知った。また、ネットでYOUTUBEを見ていると、「天安門事件」と入力するとアクセスできない。おかしいな、と思っていた半月後にはYOUTUBE自体が中国国内で全て見られなくなった。2008年の事である。
天安門事件の3年後に初めて中国旅行をし、その2年後には中国へ留学した。当時まだインターネットも携帯電話もない時代で、通信手段と言えば、テレビ、短波ラジオ、電話、手紙くらいのものだった。その時は生活の不便さが先に立っていたので中国のいびつさに気づくことはなかった。しかし21世紀に入り便利さや自由を当たり前のように生活で享受できていると却って、テレビやインターネットの遮断を通じて中国のいびつさを知ることができた。「この国はやっぱりおかしい」と。

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