職人めぐりをする2021年12月25日 23:10

先週平日に休暇を取り、東京都内の職人めぐりをしてきた。

【中井商店】:接着剤専門店
各種用途の接着剤と塗料を製造販売している。革と製本に使う接着剤を購入。武漢肺炎発生当初消毒用アルコールが著しく不足していた頃ここでエタノール75%を発見し、一本譲ってもらった。

中井商店

【森平】:刃物と砥石の専門店
カリスマ研ぎ師の老齢職人社長がいる。革刀用に仕上げ砥石#13000を購入した。

浅草橋 森平

【大栄活字社】:
昭和28年創業の活版印刷の工場。80歳の社長が何十万とある活字の中から選び出して年賀状や名刺を活版印刷で作ってくれる。活字もばら売りで譲ってくれる。以前修復した昭和8年発行の讃美歌集にタイトルを入れるため、「讚美歌」という活字を購入。「讚」という漢字が、第一希望だった1号の大きさでは在庫がなく、(「賛」は「讃」ならあったのだが)戦前の本ということもあり、ひとつ小さな大きさで「讚」をゲットした。

活版印刷の工場内 大小様々な活字が圧巻

【田中箔押所】:
大栄活字社で買った「讚美歌」の活字を持って行って、持参した修復済み讃美歌集の表紙に「讚美歌」を押してもらう。89歳の先代社長に押してもらう。垂れ革装丁(表紙から革を余分に垂らす仕様)だったのだが、 垂らした分もしっかり計算して的確な場所に箔押ししてくれた。寡黙な姿勢の中にも頭で計算され手先に伝える職人の素晴らしさを見せてもらった。

89歳の先代社長 渡した活字を組んで箔押しの機械で作業中

金箔押ししてもらった修復本(左)ともともとの革表紙(右)

田中箔押所

日本のモノづくりというのはこういう専門分野の職人さんたちの技で支えられてきたのを実感した一日だった。

箔押所内 作業を終えて一息つく89歳の先代社長(正面奥)

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://onokorojima.asablo.jp/blog/2021/12/23/9450330/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。