とんかつ屋での衝撃2021年12月04日 19:26

 習い事の帰り道、いつも混んでいて気になっていたとんかつ屋が珍しく空いていたので入ってみた。
 暖簾をくぐると、調理服を着た大将が「手をアルコール消毒してください」と客が入ってくるたびに話しかける。更には調理助手のおばさんが検温器を持って近づいてきて体温を測る。初めての入店でせっかくなので2番目に高いひれかつ定食を頼んだ。
 カウンター席に座ると、オープンキッチンなので大将がとんかつを揚げている作業や調理補助のおばさんの動きが丸見えだった。料理がでてくるまでしばらく時間がかかったので、カウンター越しに厨房の大将の動きを見ていた。
 素手で生肉を冷蔵庫から取り出し、菜箸で溶いた生卵にくぐらせると、そのままパン粉に埋め込み、これまた素手で上から押してパン粉をつける。パン粉がつくとこれまた素手で油の中に豚肉を投入する。最後に揚げたカツを菜箸で取り出し油を切って盛り付ける。ここまでは良かったが、大将が作業する脇の台をふと見ると、金庫にも入れず、お札と釣銭準備金が剥きだしで置いてある。嫌な予感がした。
 先に食べ終わった隣の客がカウンター越しに料金を支払うと、厨房の大将が釣銭トレーに素手で札を入れ、脇の準備金からこれまた素手で客にお釣りを渡した。そのあと大将がどうするかなと思って見ていたら、その手で後続の注文のカツにパン粉を付け調理を再開し始めた。
 入店する客に執拗に「アルコールお願いします」と叫ぶその大将が、自分はお金を素手で触ったその手で再び豚肉をパン粉に埋め、上から抑えているのだった。「ギョ」として、その後も現金収受した手てでとんかつを作り続けるのか、もう一回検証しようと、次の客が食べ終わって料金を払うシーンを待っていた。
 もう一人別のカウンター客も支払いをし始めた。やはり、大将は素手で収受しお釣りを渡した。その手でまたもやとんかつを揚げるかと目を凝らしていると、私の視線に気づいたのか、今度は大将はアリバイ程度に水道水でシャシャと手を濯いで、再び生肉を触って作業し始めた。
 云うまでもなく、2番目に高い定食のはずが中身も期待外れだった。一番安いロースかつ定食700円にしておけばよかった。もう二度と行かない。