ゴジラ級 中世日本のド迫力2021年05月28日 15:02

聖徳太子遠忌1400年の特別展見学で奈良国立博物館に行った際に別棟の仏像館に立ち寄ったところ、奈良・金峯山寺(きんぷせんじ)の仁王門にある仁王像が公開されていた。国宝仁王門の修復に際し、仁王像を奈良国立博物館が保存移転先になり一般公開されていたのだ。
金峯山寺仁王門 金剛力士立像

阿形吽形

仁王門から飛び出してきた高さ5メートルの阿形・吽形が人間様を見下ろす。東大寺の仁王に次ぐ大きさだけあって真下で見ると確かに大きい。それでいてしなやかな体の動きが隆々とした筋肉の繊細な曲線で生き生きと迫ってくる。仁王門に収まっているときはとてもお目にかかれない仁王像の足元・背中・脇の下の曲線を目に焼き付けた。南北朝時代の日本で、ギリシャ彫刻やローマ美術がどこまで伝わっていたのか分からないこの時代、極東にあるこの日本で勝るとも劣らないこれだけ迫力のあるものを仏師が木に彫り込んだことは、日本人の精神性と芸術性の高さが伝わってくる。中世日本鎌倉・室町時代の仏像の威圧感はすさまじく、今の我々に大胆に迫ってくる。
国宝仁王門 大修理

普段なかなか見られない仁王の脇の下