徳富蘇峰からの贈り物2020年11月04日 00:00

徳富蘇峰の山王草堂で拾った銀杏
徳富蘇峰が戦前住んでいた大田区の山王草堂に行ってきた。
https://www.ota-bunka.or.jp/facilities/sanno/tabid/237/Default.aspx
資料室の規模は小さいものの、蘇峰に関する貴重な一次資料や蔵書が展示されている。入場無料で、おじさんが一人いた。おじさんの作業服の胸のところに「~~警備保障」の刺繍があるので施設管理の警備員の方だろう。ところがこのおじさん、蘇峰の事にやたら詳しく、展示物を見ていると、その由来やらエピソード、展示資料以外のことまで蘇峰に関することを色々ご存じで次から次へと横から説明してくれる。私の質問にも的確に答えてくれ、ボランティアガイド以上の知識がある。ただの警備員さんではないなと思い、最後におじさんに、「色々よくご存じですが、学校の先生でもなさっていたのですか」と尋ねたら、「今日はいないがこの記念館には学芸員がいて、色々説明しているのを横で聞いていたので」とのことだった。ただ警備をするだけではなく、人間の好奇心や向上心と言うのはこういうことだな、と思う。「大変勉強になりました」とお礼を言って退館した。
気分的にも大変満足し、帰宅しようと敷地入口に停めておいた自転車を動かそうとした瞬間、「ポタッ」と音がして目の前で何かが落ちた。地面を見ると銀杏の実だった。山王草堂には蘇峰が住んでいた時代からいろいろな樹々や草花が広い庭に植えられており、入口のイチョウの老木も当時からのものだろう。これも蘇峰からもらったご縁だと思い、ニオイに警戒しながらその銀杏をひとつ持ち帰った。鉢に植えて、うまくいけば春先には芽がでるだろう。