安倍ロスで心境の変化か2020年10月27日 00:00

2019年11月26日の当ブログでも中国語クラスに現役NHK論説委員がいることを以前紹介した。中国語で作文を作る時も、何かと主語を「安倍が~」「小池(都知事)が~」とし、述語はろくでもない内容だった。
ところが、安倍さんが首相辞任して以降、批判する対象を失って「安倍ロス」になったのか、中国語作文での政府批判がぱたりと止まった。そんな中、先日の授業で「~として申し上げれば~」という構文を使った中国語作文では、「日本人である私として申し上げれば、日本で生活していることが幸せである」という内容の文を作った。どういう風の吹き回しか、改心したのか。
と思ったが、やはり思い過ごしであった。ちょうどテキストの新しい課のテーマが「テレビ」の時のことだ。メディア関連の中国語の単語を使って文章を作る宿題が出た。私、定年退職した男性、そしてNHK論説委員それぞれが作った中国語作文の日本語内容を以下の通り紹介する。(原文は中国語)

【私】
日本のマスメディアが言う「報道の自由」は、視聴者にとっては公正ではない。つまり彼らの言う所謂「自由」は自分たちが報道したい内容を報道する自由なのである。特に中国・米国のトランプ・日本の安倍を報道するときの、メディアの思想意識の偏りは特にあからさまである。

(日本大众传媒所说的“报道新闻的自由”对受众来说是不公正的。他们所谓的“自由”就是想报导什么就报导什么的自由。报导中国、美国川普、日本安倍时,媒体的思想意识倾向特别明显。)

【定年男性】
マスメディアはややもするとニュースのある一面を強調し、もしくは編集で事実と反対の結論を報道し、視聴者を間違った方向に誘導する。我々は解説員の見解を盲目的に信じるべきではない。

【NHK論説委員】
人々は報道機関に対してニュースの自由を期待している。しかしある国の政府はメディアを利用して世論を宣伝している。新聞記者は政府の介入に抵抗すべきである。

私はいつものように日本のメディア批判の内容を作文にした。
定年男性も私と同様だが、もっとストレートで、NHK論説委員の前で解説者の言うことを鵜呑みにするなとダイレクトに言い切る。
一方論説委員は、政府がメディアに介入すべきでないという。この「ある国」とは日本の事なのか、中国の事なのか?我々の常識からすると当然中国しか考えられないが、普段「安倍が~」のNHKが言うことだから日本の可能性もある。
この作文を比較しても、やはりメディアと視聴者には隔たりがあることを改めて伺いしれた。