創意工夫~日本のマスク事情~2020年04月13日 17:06

日本の青年がデータを無償提供している3Dマスク
当ブログ3月4日の「マスクとおむつ」で使い捨てマスクをイライラしながら必死で探すよりも昔の時代に戻って、布でマスクを作って凌いでみては、と述べた。世の中考えることは皆同じで、巷では既に自分らで創る工夫が始まっていた。

首都圏の布地手芸用品店ユザワヤでのここ1か月のマスク事情について紹介する
【3月中旬】
マスク特設コーナーが作られ、手作りマスクに適した布地と製作に必要な耳ゴムやノーズワイヤ(鼻の付近に付ける針金)も販売。布は各種あるが、耳ゴムは1人1点までと書いてあるのに既に品切れ。マスクの作り方と型紙を書いた説明書も販売コーナー付近で無料配布。
YOUTUBE動画でも作り方絶賛公開中
https://www.youtube.com/channel/UCLBYXItWouo9ddZR5MjW4kg/videos?disable_polymer=1
【3月下旬】:
ユザワヤに貸し出し用で設置されているミシンサービスが3月いっぱい既に予約でいっぱい。手縫いではなく、ミシンで効率よく作ろうと考える人で殺到している模様。(その後4月以降はサービス提供自体中止)3階のミシン売り場も盛況。
手作りマスクの説明書も2種類から5種類に増えており、縫わずに作れる方法が追加されている。
【4月初旬】:
非常事態宣言以降、店内の他のフロアはすべて閉鎖し、1階に販売を集約。マスク特設コーナーもバージョンアップされており、手作りマスクのサンプル展示と作り方説明書もラックを増やし無料配布中。マスク用布地もこれまでの木綿、ガーゼタオル以外に、弾力性のあるウレタン系布地が追加されており、耳ゴムがなくてもハサミで丸くくりぬけば手芸が不得意なひとでも簡単に作れる。
【4月中旬】:
耳ゴムは1人1点だが大量入荷し在庫は充実している。晒し木綿、ガーゼ布、ウレタン布に加え工業用にも使えるナノフィルターの不織布も1人1メートル限定で販売開始。裁断台も2か所から3か所に増設され、抗菌の透明ビニールシート(テーブルクロスやレジでの客との境目に貼ったりに使える)も販売開始。

このように手芸店は、耳ゴムが品薄ならゴムの不要なマスクの作り方を考え、それに合う布地をマスクコーナーに置く、手芸が不得意な客には、裁縫不要なマスクの無料説明書とそれに必要なパーツをコーナーで販売するなど、その時々の客のニーズと用品の供給状況をキャッチアップしながら、実にきめ細やかに配慮されてた。

手芸店の客層は主に女性であるが、男性の世界でも3Dを使ったマスクのデザインを考えだし、しかもそのデータを無償提供している青年もいる。女性や中高年の我々ではなかなか思いつかないアイデアだ。
https://www.rootech360.com/
https://twitter.com/Tsukasa_3D

国内の中小アパレル企業でも、マスクを生産し始めており国内一丸となって自分たちができることをやっている。

安倍首相が全世帯にマスク2枚を配布してくれると4月1日に表明したとのことで、手芸もできず他の入手方法もわからない一般国民には有り難いとは思うが、マスクに関しては巷のほうが政府よりも2歩も3歩も先を進んでいた。政府には是非、真水分を救済するための追加国債発行と通貨注入、消費税凍結、国策としての製造業再生など国にしかできないことをしていただきたい。

武漢で感染者発生直後、日本から武漢へ向かう邦人救済チャーター便の往路に日本政府が大量のマスクと防護服を積んで中国に支援したが、この事について我が国の現状を鑑みて日本政府は中国支援したことを今どう思っているのか非常に知りたい。未だ総括もされていない。別途マスクを支援した一部自治体は後悔しているとし、贈ったマスクを返却してほしいと中国側姉妹都市に依頼している。「判断を誤る」というのはこういうことだ。