ゴミ屋敷みたいな古書店2020年05月17日 20:26

横須賀の古書店
出かけるときはその地に古書店がないか事前に調べておき、ついでに「宝探し」に立ち寄ることがある。
所用があって横須賀に行った。事前に古書店が存在することは調べたが、書店のHPもなければ全国古書検索サイトにも住所記載だけで販売している書籍の登録も全くない。グーグルマップを見るとシャッターが下りた店舗画像だけは確認できる。ツイッターで検索したら、昨年2月に立ち寄ろうとした人が「閉まっている」とつぶやいていた。
用事を済ませた後、営業していればラッキーくらいの気持ちで古書店に向かったら、開いているのが遠くから見えた!ちょうど開店したばかりで、店主が忙しそうに本を店先に並べていた。期待に胸膨らませながら近づいてみて驚いた。まるで本のゴミ屋敷みたいだった。
近くで店主の様子を見て、当初は廃業して店舗整理しているのか、本当に開店準備しているのか区別がつかないくらい店内も店先も本が散乱していた。
一旦通り過ぎて30分ほど時間つぶしした後、古書店に戻ってみると、廃業整理ではなく、営業開始だった。
店の間口は2軒分くらいあり広いのだが、店の奥行きは2メートルもない。シャッターの柱より奥は本が天井まで山積みになっていて客は一歩も店内に入ることができない。要するに店主が歩道に並べている本の中からのみ客は買うことになる。
この書店は神保町の古書まつりでも出店していたのを記憶しているので、ある程度蔵書を抱えているかと思ったが店舗は想像と違った。
せっかく来たのだからと店先にだけ並んでいる本を物色し、それでも気に入った本が2冊も見つかったので買った。
店内奥に山積みの埃をかぶった本たちを見るにつけ、もっともっと色々興味が湧くものがありそうなのだが、立ち入ることすらできないので、ちょっと残念だった。横須賀だけに海軍や三浦半島関連の書物も多く、店の奥を整理すればもっと宝物はあるはずだ。店の奥に山積みの本を、売るつもりのものと売るつもりのないものをもう少し整理していただくと助かるのにな、と期待しつつ、もしかしたらこの店主、自分が売りたいものだけ店先に出して、あとの本はわざと客に触らせないつもりなのかとも思い、店を後にした。
(写真は過去にこの書店に行かれた方のブログ画像を拝借した。自分が撮影する勇気はなかった。創業昭和24年)