1300年前にタイムスリップ~大嘗宮~2019年12月08日 21:08

大嘗祭が執り行われた大嘗宮
先般天皇陛下が大嘗祭を執り行われた社である大嘗宮の一般公開に行ってきた。神道に則った木造建築群だ。大嘗祭が7世紀から始まったとされるということは、皇居内のこの大嘗宮も1300年前の様式を今に伝えるものであろう。

上智大学名誉教授の渡部昇一先生がかつて、20年に一回の式年遷宮がある伊勢神宮とギリシャのパルテノン神殿について比較し言及されたことを思い出した。
ギリシャのパルテノン神殿は今から約2500年前に建てられたとされ世界遺産にもなり、我々も見学することは可能だ。しかし、それは今は崩れた廃墟であり、建築当時の様子とは違うし、今後も年月とともにどんどん朽ち果てていく。
一方伊勢神宮の式年遷宮で建てられる社殿は紀元690年より遷宮が始まって以来20年に1回同じ様式で社殿が毎回建て替えられ、1300年前と同じ真新しい姿で民が目にすることができる。このように古いものが廃墟ではなく、1300年間建て替え続けられ、いにしえが今に生きつづけているのは日本しかない、とおっしゃった。

大嘗宮の建物についても実に素朴で
東京駅の周辺高層ビル群の風景から
一気に1300年前にタイムスリップした気持だった。
凄い人混みではあったが、皆善良な日本国民という感じで、
押しあいも争いもなく、黙って列に並んで警官の指示に従って
参観していた。

追記:この度の18日間の一般公開で78万人が参観に訪れた。私が行ったときの肌感覚だが、周りの参観者の99.9%は日本人。スマホで写真を撮る今の趨勢の中、30年前くらいの型式の小さな画面のデジカメやハンディカムで写真や動画を撮っている方が多かった。普段からあまり写真を撮らないような方々が出かけてきたとお見受けする。

追記2:宮大工から見た大嘗宮
という興味深い動画あり。47分当たりから始まる。
https://www.youtube.com/watch?v=hHT0s7FmljU