使えば使うほど長生きする革(レザー) ― 2023年01月02日 13:56
革(レザー)と皮(スキン)が区別されることを、手製本を学んで初めて知った。ざっくりいうと、皮は動物の皮膚の加工前のもの、革は皮を剥いだ後人間の手により製品にするために化学的に加工されたもの、という違い。
仕事の関係で30年ほど前にカナダのバンクーバーに1か月ほど滞在したことがある。ちょうど香港が中国に返還される予定の1997年の数年前だったので、香港からカナダへの移民が大量に増えている時期でもあった。
休みの日に近くのショッピングモールの靴屋で目に留まった革のサンダルを買い、それ以来ずっと愛用している。(インドのBATAという靴メーカーの商品)
はき始めて15年目くらいに、靴底の厚いウレタンが劣化しひび割れした。何軒かの靴修理屋で断られ、やっと見つけた戸越銀座の修理屋さんで引き受けてもらい厚底ウレタンを交換をしてもらい再び蘇った。

昨年再び、そのとき同時に張り替えてもらっていた靴底が摩耗し、このままではウレタンにも到達する勢いであるため、溝の深い靴底に張り替え、間もなく30年目を迎える。
上部の革部分は全く劣化しておらず、今でもピカピカ黒光りしている。
レザークラフトの先生も、革は使わないと一気に劣化すると言っていた。
使うことで革も生き続けられるという証のような愛用品の一つである。
愛用品を再購入 ― 2021年06月28日 00:05
ただ10年もつかっているとだいぶペチャンコになってきて、且つ在宅での勤務時間も出社時と同じくらい椅子に座っているので、同じクッションがもうひとつ欲しくなった。
公益財団法人矯正協会に問い合わせたところ、甲府の刑務所で今でも作っているクッションだと判明した。
http://www.moj.go.jp/kyousei1/kyousei05_00084.html
甲府事務所と直接やり取りして新品の円座クッションがやっと届いた。これで、出社、在宅の長時間を快適に乗り切れる。各地で常設展示販売もあるようなので、チャンスがあったらまた覗いてみたい。
https://www.e-capic.jp/shop/
https://www.e-capic.com/
コインケース製作 ― 2021年06月19日 00:05
レザークラフトと手製本のコラボ ― 2021年06月08日 00:06
背中から丁寧に外した革の端をカッターで形を整えながら最後に新しい革に金文字タイトル入りの古い革を上からボンドで貼りあわせた。布巾で上から静かに丁寧に抑えるが古い革の端っこが次々と取れてくる。製本工房の親方に相談したが、「革そのものが劣化したのだからこれ以上何もできない、古いものを使うのだからやむを得ない」との結論だった。
帰り道で、なにか方策はないか思いあぐねていてひらめいた。革の勉強のために通うレザークラフト教室で使っているCMCという薬剤で古い革を補強できないかと思った。CMCとは、カルボキシメチルセルローズ(粘度調整剤)のことで、スープなど食用のほか、革の裏側のケバを馴染ませたり抑えたりする中性の材料だ。早速レザークラフトの先生に、手製本の革表紙にCMCを上から塗ってこれ以上のポロポロを食い止められないか尋ねたら革の先生はその方針を是としてくれた。CMCを2度塗り乾いたのち最後に革用オイルを塗った。粘度調整剤とオイルが古い革表紙にしみこんで、ゴキブリの羽のように黒光りし、少し元気を取り戻したように感じる。レザークラフトを習っていないとコラボできない知識だと感謝した。
『益軒十訓』 明治十六年三月 博文館発行
丸背上製革片袖装
本かがりはそのまま活かし
表紙のみ装丁しなおし
滴水穿石(雨だれ石を穿(うが)つ) ― 2021年06月06日 00:05
レザークラフトの先生はその道40年の匠である。その先生が革を切ったり、漉いたりするのに使っている革刀を見せてもらった。
写真上の革刀は私のもので使い始めて1年め、一方私と同じ型の刀を長年こつこつ使い研いできた先生の革刀が写真下だ。毎日使って砥石で研いでいると硬い鋼(はがね)もここまで短くなるのかと驚いた。まさしく、一滴一滴の水滴が最後には石をも貫いてしまう、毎日毎日積み重ねていく努力の賜物を見た。
道具は大事 ― 2021年05月20日 23:20
①怖い親方の製本工房
②海外でパッセカルトンを学ばれた講師による本のデコール教室
③レザークラフト教室(革や道具の扱いに慣れるため)
④優しい女性講師の製本教室(不定期)
⑤平日夜間のパソコンプログラミング教室
⑥平日夜間の中国語教室
である。
1週間が7日しかないのに、6つの教室を掛け持ちしている。我ながら不安になるが、武漢肺炎でウチに籠りがちな昨今、これではいけないと故意にスケジュールを入れ、時間を有意義に過ごせている。
6つの教室のうち①②③の教室の先生は皆そのみち40年以上の匠で、教え方も職人気質がにじみ出ている。④の製本教室の女性講師も技術はあり的確にアドバイスしてくれる。しかし、①②③と④の教室で一番違うのが道具である。
生徒は全ての道具を教室へ持って行けないし、揃えているとも限らないので道具を教室で借りる場面がある。その時に、①②③のベテラン先生の教室では、ご自身が使っている道具もしくはご自身が使っているものと同じものを惜しげもなく貸してくれる。一方④の教室は特殊な道具でなければ大体が100円ショップで買ってきたものを用意している。
ここが我々学ぶものにとっては大きい。
いい道具を使えば、その道具の使い方も含めて技術を学べる。ところが安物の道具だと使っている者の言うことを聞いてくれないことがある。切れればいい、測れればいいではない。切り方、測り方にも職人の技がある。④の教室へ行くときは、荷物が重くなるのがいやで、そこの道具を借りているが、やはり100円ショップは手にしっくりこない。いいものを作るには道具をケチってはいけないと、そこへ行く度に感じる。
道具を磨く~レザークラフト~ ― 2021年03月07日 22:53
製本修理でこれまで3冊ほど革表紙で製本してきた。しかし布や紙と違って革の扱いが難しく、革すきで刃物を使うが仕上がりが納得するものでもない。そこで、もっと革に親しみ、さらには革すき用の刃物をしっかりメンテナンスし正しく扱えるようにとレザークラフト教室の門をたたくことにした。
革の先生には手製本修理で使う革に親しみ、道具の扱いも習熟するためと最初に目的を伝えた。教室初回はレザークラフトを具体的に始める前に、私からのリクエストで製本で使っている革すき用の道具の研ぎ方と革の漉き方をたっぷり4時間教えて頂いた。(製本でもレザークラフトでも使う刃物は共通)研いだ刃物は写真のようにピカピカに光り、面白いように刃先が革にくい込んでいった。
何をするにも道具が大事。道具はしっかりメンテナンスすれば使う者を助けてくれること、これを実感した一日だった。製本教室の親方もそのみち40年の厳しい職人だが、レザークラフト教室の先生も革工房を初めデザイン専門学校でも教鞭をとって45年近くなる経験豊富な職人だった。このようにその道の匠に仕事を教えてもらえることに感謝している。





最近のコメント