大正震災寫眞集を修復2021年07月18日 21:11

寫眞集つながりで、次に大正震災寫眞集を修復した。つまり関東大震災発災直後の東京、神奈川の様子を写した写真集だ。2年ほど前に池袋の老舗古書店八勝堂が閉業するというの知り、立ち寄ったときに購入したものだ。買った時には背表紙が透明のガムテープで補強されていた。ガムテープは本にとって一番最悪の材料で、テープの粘着部分は不可逆性がないので、紙を傷めるだけでなく変質もさせる。シール剥がしで丁寧にガムテープを剥がしたら、表紙のボールが本体から外れた。

表紙内側の見返し紙と遊び紙を新しい【金砂】の和紙で貼り直し、本文をつないでいた錆びた100年前の釘を抜き、足継ぎ表紙はそのまま活かして、これらを青い新しいクロスで包んで補強し赤いリリアン糸で表紙、本文を綴じて修復が完了した。

【大正十二年九月大正震災寫眞集 関東戒厳司令部】
大正十三年三月五日 偕行社発行
上製角背足継ぎ表紙 天金