1000年前の鎧(よろい)2019年12月31日 16:15

大山祇神社の鎧 図録より
愛媛県今治市大三島にある伊予一宮大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)に参拝してきた。せっかく来たのだから神社に併設されている宝物館でも見学しようと観光客気分で入口までいくと拝観料1000円と書いてある。通常神社の宝物館といったら300円~500円が相場。連れの友人が少し顔を曇らせて「1000円だと博物館、美術館並みだ」と言った。私も一瞬どうしようか躊躇したが、この神社はしまなみ海道が通る島のひとつにあり、めったに来られる場所でもない、宝物館と隣接する海事博物館と合わせて1000円なので、1か所500円だと思えばそんなにひどい料金でもないと思い、連れを残し一人宝物館に入った。
入館するやいなや、国宝、重要文化財がわんさか展示してある。巴御前、武蔵坊弁慶、源義経が当神社に奉納されたと伝えられる薙刀(なぎなた)。いずれも昔話で登場する時代の歴史上の人物ばかりだ。国宝コーナーに行くと鎧(よろい)がたくさん展示してある。時代をみると平安、鎌倉、南北朝、室町時代の国宝ばかり。城めぐりや国立博物館で江戸時代や戦国時代の鎧兜は見たことがあるが、更に時代をさかのぼって平安、室町時代の鎧を見たのは初めてだった。ここ一帯に当時いた河野水軍が大山祇神社で戦勝祈願をした後、元寇と戦うために九州に馳せ参じた。当時の武士がこれらの鎧を着て元寇と戦ったのだと思うと感慨深かった。
宝物館の受付の巫女さんが「これだけの国宝、重要文化財が神社に残ったのは、当時の人々が神社に寄進奉納したのもが神社でしっかり守り伝えられ、更には神社が地理的にも本州、四国から離れた小島に位置するため戦禍からも免れてきたものだ」と教えてくれた。
因みにこの神社で引いたおみくじは「半吉」で、「格別名を上げたり金銭を欲せんとして他人を押しのけるようなことがなければ災いなし」とあった。おみくじ通り金銭に執着せず1000年前のものを1000円で見られてよかったと思う。