最後は目で決まる~刺繍に想う2023年01月08日 15:35

 長年の友人が習っているモラ刺繍の作品展覧会があるというので伺った。初めてモラ刺繍という言葉を聞いたので事前に調べてみると、中米パナマの先住民族であるクナ族が独自に生み出した多重アップリケとのことだった。

 展示されている作品はどれも皆趣味で習っているとは思えないほど、さまざまな色の組み合わせが全体的に調和がとれていて素敵なものばかりだった。図案(デザイン)も原住民の暮らしや野生動物を表すものから、鶴亀千鳥の日本調のもの、ヨーロッパ風のものまで、どれもひとつとして同じものがない鮮やかな作品であった。
 これらの作品を見て感じたのが、刺繍であれ、絵画であれ、最後に目をどのように描くか(瞳をどう入れるか)が重要だということだった。視線や瞳の大きさなどをしっかり描くことで、作品全体の締りや、その人物・動物そのものの価値や崇高性が決定される。たとえ細かな刺繍や彩りが完璧でも、最後の「目」入りがいまいちだと、結局作品全体に締りがなくなってしまう。
 一方同様に私が過去に見たことがある刺繍は北インドにあるチベット亡命政府で見た伝統継承施設ノルブリンカで見たチベット人が作る刺繍であった。

北インドダラムサラにあるチベット文化研究所ノルブリンカのサイトにあるアップリケタンカのサイト

 デザインはすべて仏像や仏の化身の獅子など仏教にまつわる物であった。モラ刺繍同様細かな手作業のものだった。これについても仏様の目、獅子の目、これがどう置かれるかでその仏画全体が決まってくる。「目は口程に物を言う」というが、絵画、刺繍においても目が非常に重要な役割を果たしている。

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