製本コンクールに応募した2020年08月28日 08:30

柳田國男の先祖の話 初版本と私家本
昨年の初参加に続き、今年も製本コンクールに応募した。提出締め切りの3か月ほど前に主催者からその年のコンクールテーマが発表され、各自がそのテーマを色々派生させながら自由に自分の製本作品を作り上げていくものである。
今年のテーマは「柳田國男」だった。彼には多数の著書があり、どの本を改装するか随分迷ったが、普段「日本」や「日本人」をテーマにブログを書き綴っている私としては、『先祖の話』に行きついた。
この本は、柳田國男が大東亜戦争中から、多くの若い日本人が出征していく様を見て、戦中から考えていたことを綴り、戦後すぐに出版したものだそうだ。初版の昭和21年と言えば、GHQの占領下にあり、出版物もGHQのガイドラインに沿った検閲済みのものしか世の中に出ていない。その中でも日本人の先祖に踏み込み、最後には柳田自身の米寿祝いや香典返しの際にも、柳田家はこの本を私家本(自費出版で作成し、ISBNコードなどを定めず書店に流通させずに狭い範囲で配布する)で作り直し、参列者に配っている。

添付の写真は
左が昭和21年に発行された初版本『先祖の話』
右が柳田七五忌に柳田家が作った私家本とご子息からの案内状である。(ご子息為正さんはお茶の水大学名誉教授で2002年に逝去されている。)

今回は、書店で普通に手に入る新訂版をコンクール作品として改装本にしつらえた。どのように変身したか、コンクールサイトで確認できる。

私の作品は13番 題して 「今を生きる我々への贈り物」です。
https://ex.marumizu.net/con2020/

最後に失敗談を紹介。
本の題名と著者名を印刷した題籤を最後に改装本を納める夫婦函の表にボンドで貼って完成した。さあ、これから提出だ、と、その前に今一度コンクール募集要項を確認して、ビックリ!
「柳田國男」が正しいのに、「柳田國夫」と印刷したものを一番大事な函の表に貼っていたのだ。ボンドがすっかり乾いた題籤を慌てて剥がして、正しい氏名で印刷しなおし、後日無事提出した。テーマになっている人名を間違って提出していたら作品のすべてが台無しになる。寸でのところで自分で気づき、事なきを得た。
「確認、確認、再確認」の大切さを改めて思い知った作品提出の顛末であった。