大隈重信伯爵の著書を修理する2022年12月31日 16:11

これまた古書市にて1000円程度で見つけた大著『開國大勢史』を修理することにした。分厚くて天金(本のてっぺんの小口に金箔が施されている)随分立派な本だなと思ったら、著者はかの早稲田大学創設者で日本国内閣総理大臣でもあった大隈重信伯爵(最後は侯爵に)であった。

ビニールカバーで保護されているがカバーの下にはすでに革が劣化しており、今にも本体から外れそうだった。

立派な金のタイトルが入いる劣化した背表紙を丁寧に外す。

コーネル装だったので、本の四隅の三角コーナーの革も剥がし、新しく三角コーナーに革を貼る。

本体の背に新しい地券紙と寒冷紗を貼って背中を強化した後、平のでの劣化した革もカネヘラで剥がし、三角コーナーと同じ色の新しい革で包む。

包んだあとは、表紙に革を包み込むために、見返しに切り込みを入れてめくり、革を貼り付けて、めくった見返しをまたもとに貼り込む。背中の部分も細いスパチュラで革を背表紙と本体の隙間に入れ込む。

見返し(表紙の内側と本体をつなぐ1枚紙)の喉の部分も破れていたので、同じような紙を短冊状にして喉を渡すようにして貼り込んだ。

最後に、劣化したタイトル入りの背表紙に丁寧に革保護用油を何日もかけて塗り込み、硬化した革に多少潤いが戻ったところで、新しく貼り終わった背にもともとのタイトルを貼り付けて完成した。

【著書】
開國大勢史
大正2年4月 早稲田大學出版部、實業之日本社発行
大隈重信伯爵著
革コーネル装上製本

123年前の世界(世界寫眞帖より)2022年12月31日 18:45

明治43年(1910年)発行の『世界寫真帖』を1200円で購入し修復した。

表紙は並製(ソフトカバー)で、ボール紙が折れ曲がり筋が入っていた。中身を綴じてある紐もはずれ、背中もむき出しになっており中身をゆっくり読むには耐え難い状況であった。

まず、残った紐をすべて外し、表紙と中身を分離した。

はずした元の表紙がこちら、劣化しており中身を支えるにはこころもとない
表紙は、表と裏表紙を中身と一緒に綴じこみ、新しく硬いボールで足継ぎ表紙を作り、しっかり読むために上製本に想定しなおすことにした。

写真帳の中身は、釘と紐で平とじされていたので、明治時代の錆びた釘を抜き取り、作った表紙を包み、最後にもともとあった平綴じの穴に鳩目を打って、新しく青い紐を通して綴じなおした。

足継ぎ上製本(ハードカバー)に仕立て直した。

最後にもともとあった表紙のタイトルと同じ字体で、新しく作ったハードカバーの表紙にホットペンで金箔でタイトルを書き込み完成した。【世界】の文字

完成してゆっくり広げられるので、改めてぺらぺらとめくってみた。

今でも、中世の街並みを残しているヨーロッパの街を見てもあまり変化は感じないが、とりわけ、ニューヨークと横浜の変化は激しかったので以下の通り紹介する。

123年以上前のニューヨークマンハッタン
摩天楼が全くない。写真右上に微かに見えるのはリバティ島の 1886年に贈呈されて間もない自由の女神か?
123年以上前の横濱港、世界との玄関口であるが、地方の小さな港街の様

【著書】
世界寫真帖
明治43年12月発行
ともゑ商會発行
田山宗堯著作