若い国家公務員の退職2020年11月22日 10:08

令和元年に自己都合で退職した20代の国家公務員総合職の人数が平成25年度比で4倍超の87人に上ったことをうけて加藤官房長官は、「長時間労働を是正し、職員がやりがいを持ち、私生活も充実させながら仕事に取り組める環境をつくることは働く人のためでもあり、この国、国民に対しても大きな貢献につながっていく」「行政機能の発揮という点から課題だ」と危機感を示した。
私は以前中央官庁の若手職員とやり取りする業務に携わっていたが、単に長時間労働の問題ではない。彼らの仕事を見ていると、上からの指示と我々民間の間に立って、文書作成や会議調整など非常にこまごました地味な仕事が多かった。若い頃はこういった仕事も確かに官民いずれも重要な下積み期間であり、時には深夜の残業を余儀なくされることはやむを得ないと思う。しかしそれが「報われない」ときに、若者は一番耐えられないのだ。
上司や周りが「あいつにやらせておけ」ではなく、やらせてはいるがいつでも手を差し伸べられる仲間がいるとの心の支えが感じられるかだ。だが民間に比べ、官庁は職場全体が保身で、事なかれ主義の傾向が強くがんばる若者ほど孤立するのではないか。更には、政治方針が直接反映するのが行政であるため、公務員になったらやってみたかった様々な大きなこころざしが、政治によって左右され、時には理不尽だと思いながらも従わざるを得ないことが出てきて、矛盾に堪えられなくなり、退職していくケースが多いと思う。「馬鹿な大将、敵より怖い」 政治がしっかりすることは全てにつながる。
ところで我が国を「この国」と呼んでいる加藤官房長官自身も大蔵官僚退職組でしたね。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://onokorojima.asablo.jp/blog/2020/11/22/9319121/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。