カトリック神父から教えてもらった2つのこと2020年08月22日 18:00

あまりの暑さに下を向いて歩いていると、アスファルトの上を孤独に右往左往する蟻を見つけて踏んづけまいと足をそらしてやる。終戦の日前後まで真っ盛りだった蝉しぐれも今は聞こえなくなり、歩道であおむけになって弱弱しく脚を動かしている蝉。これらの虫を見て、大学時代カトリック神父から教えてもらいずっと頭に残っている2つのことを思い出した。

ひとつめ:
殺人は絶対にいけない。なぜいけないかというと、人間だけでなく世の中の生き物は全て神様が創ってくれたもので、同じものを人間が創れるかと言ったら絶対に作れない。蟻一匹でも「命」という動力によって個体が自分で判断して動いている。蟻が持つひとつひとつのパーツも、例えば蟻と同じ「眼」を人間が創ろうと思っても絶対に創れない。人間が如何なる技術を駆使しても到底作れないものなのだから人間がそれを簡単に壊すことは許されない、という。(だから動物を殺めて頂くとき人は感謝する。)

ふたつめ:
日本人は「人に迷惑をかけないようにする」ことが美徳とされ、それは間違いないのだが、一方でどんなに迷惑をかけないようにしようと思っても必ず迷惑をかけてしまうものでもある。例えば私がただ立っているだけで、誰にも迷惑をかけていないと思っていても、実はその立ち位置が誰かの邪魔になっている可能性もある。だから「人とはそもそも迷惑をかけるもの、存在そのものが迷惑なこともある」ということを受け入れたうえで、「謙虚に生きる」ことが大切だということを教えてくれた。

カトリック教義を聞いていても当然のことながら多くはイエスキリスト中心でどうしても馴染めなかったが、このような考え方は非常に受け入れやすく30年経っても自分の行動規範のひとつになっている。

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