慣れすぎているクレーム対応2020年06月30日 01:06

寄生虫のブリ糸状虫
先日寿司屋で食べた尖閣産アカマチがあまりにも美味しかったので、翌日の夕食に海鮮丼でも作ろうとスーパーで刺身用天然わらさ(小田原産)を買った。自宅で短冊切りにしていたら、尻尾に近い部分から、写真のような長いものがでてきた。(写真は別のサイトから借りたもの)
最初は魚の内臓かと思って気に留めなかったが、よく考えてみると内臓処理してパックされた切り身なのでやはり内蔵はおかしいと半分食べてから思い出し、インターネットで調べたら、どうもブリ糸状虫という寄生虫であることが分かった。切り身の中に入り込む寄生虫であるため魚屋さんでも見つけにくく、返金・交換の対象ではあるが、魚屋を責めるのは気の毒とのアドバイスも書いてあった。
面倒だなと思いながらも翌日会社帰りに寄生虫と残った切り身をスーパーへ持って行くことにした。私も会社でクレーム客の対応を多々してきたので、自身がクレーマーになるつもりはなかったが、スーパーがどう対応するかには興味があった。
レジの女性に現物を見せると、寄生虫を見て軽く悲鳴を上げた。すぐどこかへ電話して、奥から責任者風男性スタッフがやってきた。
私は「半分食べたあと尾に近いところから出てきました。」と淡々と説明すると、その男性は目をくりくりさせて腰を折り曲げ、うわ目使いで私の顔をのぞき込むようにして、
「どぉーもすみません、召し上がったのですね、気持ち悪かったでしょう」と同情の言葉を何度も繰り返した。
そのうち、魚処理係と思われるもう一人の男性が出てきて、
「ああ、出ましたか。」と言った。
彼の言葉からも毎日毎日専門で魚の処理をしているので、実は日常茶飯事に寄生虫に出くわしていることは容易に想像できた。
責任者はお詫びの繰り返しで、私も責任者も落としどころをどうするか一切言及していない傍らでレジの女性が既に返金処理のレジ打ちをしていた。「すみません」だけを繰り返した責任者がついに黙りこみじっと私の横で立っているので、金を返して私の様子を見るつもりだなと思ったので
「もう結構ですよ、どうぞ(持ち場に)お戻りください」と私が口を開くと男性責任者は
「お客様のように(寄生虫に)理解があれば本当に有り難いのですが・・・」と言った。その後ろに続く言葉はおそらく「(他のお客様には理解してもらえずヘビークレームされます。)」なのだろう。
責任者・魚処理係・レジの女性の連携、慣れすぎているが故に機械的で却って慇懃無礼さを感じた。420円の代金を受け取り、その日はそこで買い物をするのを止め、そのまま家路についた。

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